敵の南西諸島侵攻想定、陸自奄美駐屯地が陣地奪還訓練を公開 開設4周年で敷地内を初めて一般開放、3000人が見学

 2023/02/06 11:15
奪還訓練を披露する隊員=5日、陸上自衛隊奄美駐屯地
奪還訓練を披露する隊員=5日、陸上自衛隊奄美駐屯地
 陸上自衛隊奄美駐屯地(鹿児島県奄美市名瀬大熊)と瀬戸内分屯地(同瀬戸内町節子)の開設4周年を記念したイベントが5日、奄美駐屯地で開かれた。初めて一般向けに敷地内を開放し、訓練を公開した。装備品の展示などもあり、約3000人の家族連れらでにぎわった。

 日高正暁司令(1等陸佐)は「閣議決定された国家安全保障戦略等を踏まえれば、われわれの役割はいっそう高まっている。奄美が過去、他国の支配下にあったことを忘れず、期待と信頼に応えられるよう職務を果たしたい」とした。

 グラウンドでは、南西諸島に侵攻してきた敵から陣地を奪還する訓練を空砲を使って公開。ヘリから降下した隊員が敵の情報を集め、軽走行機動車などを使い上陸した敵を排除した。野外入浴セットなど災害時に使用する装備も展示した。

 同市名瀬の自営業有村洋美さん(76)は「敷地がこんなに広いなんて知らなかった。災害時に頼りになりそうで安心した」と話した。

 奄美駐屯地は警備部隊や中距離地対空誘導ミサイル(中SAM)部隊、「電子戦」部隊など約400人を配備。瀬戸内分屯地は警備部隊と地対艦誘導ミサイル(SSM)部隊など約210人が所属する。2019年3月に開設した。