国体経費が押し上げ、過去最高に 鹿児島市の23年度当初予算案 2800億円に迫る

 2023/02/08 12:10
 鹿児島市の2023年度一般会計当初予算案は2800億円に迫り、過去最高だった20年度の2771億円を上回ることが7日分かった。国体開催経費や社会保障関係費が押し上げた。下鶴隆央市長が14日発表し、主要施策の概要を説明する。

 市が鹿児島港本港区の3カ所で検討するサッカー等スタジアム構想を巡っては、県の本港区エリア利活用検討委員会とは別に、市が主体となって県、鹿児島商工会議所、専門家らの意見を聞く機会を設ける。

 市が「優位」と位置付けるドルフィンポート(DP)跡地と住吉町15番街区の県有地2カ所について、商議所は別の利用法を公表したほか、浜町バス車庫については土地所有者が候補地取り下げを市に要請。厳しい現状を踏まえ、積極的な姿勢で整備に向けた活路を見いだしたい考えだ。

 子育て関係では、課題の待機児童解消へ向けた施策に加え、妊娠から出産、育児まで量と質の両方で支援を拡充する。

 南部清掃工場など大型公共事業は終わったため、橋や道路などインフラ整備に軸足を移し、地域経済を下支えする。市債の活用や基金を取り崩し、2月補正と合わせた普通建設事業費は300億円超とみられる。

 歳入は市街地の再開発事業でマンションが増えたことなどから固定資産税や個人市民税が増える見込み。財政の健全度を示す指標の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は1億円程度の黒字にする。