学生も企業も「対面」回帰? 就活スタート、コロナ落ち着き「売り手市場」

 2023/03/02 07:20
会社説明会の解禁を受けて鹿児島国際大学が開いた合同企業説明会に参加する学生ら=1日、鹿児島市
会社説明会の解禁を受けて鹿児島国際大学が開いた合同企業説明会に参加する学生ら=1日、鹿児島市
 2024年春卒業の大学生に向けた企業の会社説明会が1日解禁され、鹿児島県内でも学生の就職活動が本格的に始まった。新型コロナウイルス感染対策の緩和が進み、対面での説明会が増えつつある。コロナ後に向けて人手が欲しい企業は採用に意欲的で、学生がじっくり見定める売り手市場の様相だ。

 鹿児島市の鹿児島国際大学は1日、県内企業を中心に97社を集めた合同説明会を開催。学生350人がブースを回った。同大では学生、企業ともにオンラインより対面型の希望が多く、コロナ禍でも感染対策をして続けてきた。参加企業は昨年より5社増えた。

 同大就職キャリアセンターの橋口圭太所長は「県内希望の学生が多いが、オンラインで県外企業とも接触でき、情報収集や選択の機会は増えている。やりたいことを見極め、複数社を検討する余裕がある」と傾向を分析。金融業を目指す国際文化学部の浜田祐佳さん(21)は「10社超のインターンをして志望を決め、資格も取った。動機や経験をしっかり伝えていきたい」と意気込む。

 同市の志學館大学でも学生との対面型を望む企業が多く、3月だけでも学内で20社の個別説明会がすでに決まっている。県内企業への就職は昨年は8割で、今年も7割が志望する。「今は知名度の高い企業に関心を示す学生が多い。知名度に関わらず安定して働ける県内企業の情報を提供していく」と小山正俊進路支援センター長は話す。

 企業側は人手確保に懸命だ。霧島市の鹿児島空港ビルディングは8日、空港関連4社で独自の説明会を空港内で開く。事業広報課の永山綾子係長は「昨年、一昨年に参加者が多かったオンラインは継続する。学生の希望に応じて両方に対応し、幅広くPRしたい」と話した。