「美しい自然が壊れる…」世界遺産の徳之島で日米共同訓練 住民は不安げに見守る

 2023/03/04 11:17
着上陸訓練を見守る住民ら=3日、徳之島町
着上陸訓練を見守る住民ら=3日、徳之島町
 3日に日米共同の離島奪還訓練があった徳之島では、昨年11月に初の日米訓練が行われたばかりだった。住民からは歓迎する声の一方、「あまりにも訓練の間隔が短い」と常態化を懸念したり、「美しい自然が壊れるのでは」との不安も漏れた。

 着上陸訓練が実施された徳之島町の万田海岸には、島内外から多くの見物客が訪れ、「頑張れ」と声援が飛んだ。伊仙町の女性(64)は「米軍がすぐまた来て、戦争が近づいているように思える」と冷ややかに見守った。地元の土持優子さん(36)は「短期間で訓練が続き、不安になる気持ちも分かる。でも、部隊に守られていると感じる」と話した。

 同海岸は、ウミガメが例年数百個産む浜として知られる。産卵期の夏はトレーニングで訪れる闘牛に砂浜を荒らされないよう出入り口を閉めている。

 地元の前川集落の住民らによると、昨年11月の訓練では自衛隊から海岸を使うと事前連絡があり、町から開門の依頼を受けた。今回再び水陸両用車が砂浜にキャタピラの跡を残した。

 区長の山口史さん(74)は訓練について「台湾有事の準備は必要で仕方ないと思う」と複雑そう。「世界自然遺産のある島。自然保全にみんなで取り組む中、訓練が繰り返されると、どう変化するだろう」と配慮を求めた。