鹿児島初!高校生がバレーボールC級審判員に マネジャー歴わずか2年…競技と出合い「進むべき道」も見つかった

 2023/03/05 15:43
バレーボールのC級審判員に認定された竹下美玲さん=霧島市の隼人工業高校体育館
バレーボールのC級審判員に認定された竹下美玲さん=霧島市の隼人工業高校体育館
 鹿児島県霧島市の隼人工業高校3年の竹下美玲さんが、バレーボールのC級審判員に認定された。高校生では県内初めて。資格審査会で優秀な成績を収めた上、活動実績も踏まえて、正式に承認された。竹下さんは「競技者も観客も審判に納得し、心から楽しめる試合づくりをしたい」と喜んでいる。

 バレーボール部の元マネジャー。高校に入り、初めて競技に触れた。バレー部の直井通監督(46)から借りたルールブックを読むうち、審判の奥深さに夢中になった。マネジャーとして2年間で約300回の練習試合の審判を経験した。

 ラインズマンから始め、1年生のうちに副審や主審を担うようになった。最初は「コートのどこを見ればいいかもわからなかった」という。直井監督が「筋がいい」と審判員の資格取得を勧めた。県バレーボール協会によると、資格取得は原則大学生以上が条件だが、的確で素早い判断や将来性が評価された。

 主審を始めたばかりのころは、抗議されると判断を変えたり、動揺したりしていた。他校の監督やマネジャーにもアドバイスをもらい、落ち着いて状況を説明することができるように。ミスに落ち込む日もあったが、楽しく進む試合を見ると「やりがいを感じる」と話す。

 中学までは内気な性格だったものの、審判を務めるうちに、人と話すことが好きになった。この春、保育士や幼稚園教諭の資格を取るため、鹿児島市の専門学校に進学する。「バレーに出合わなければ、教育の道に進むことはなかった。悩む子どもの居場所をつくる先生になりたい」と話している。