和洋の菓子技術が詰まった「赤まき」 海を渡って定着した伝統菓子はなぜ「縁起がいい」のか

 2023/03/13 15:38
和洋の菓子技術が詰まった赤まき=10日、長島町山門野
和洋の菓子技術が詰まった赤まき=10日、長島町山門野
 梅、桃と続き、もうすぐ桜の季節がやってくる。花見がてら出かけた場所で「地元特産の団子やまんじゅうを食べられるとうれしい」という人も多いのでは。鹿児島県の北西薩地域で長く愛される、地元の団子やまんじゅうを紹介する。

 「赤まき」はあんをカステラで包み、赤い餅で巻いた伝統菓子。長島と関わりが深い熊本県天草地方から伝わったとされる。あんとカステラ、餅の相性は抜群。和洋の菓子技術が詰まった一品だ。

 天草では、漁師が赤まきの赤色が「縁起がいい」と好んで食べていたという。戦後、長島でも盛んに作られるようになり、町を代表する菓子として定着した。

 1966年から製造している坂之下製菓は「こしあん」に加え、地元のサツマイモを混ぜた「いもあん」も販売。子どもに好まれるよう生地を柔らかくしたり、健康志向に合わせ甘さを控えたりと工夫を重ねる。坂之下智由社長(82)は「将来も長島の特別な菓子として食べてもらいたい」と願う。



 坂之下製菓 【住所】長島町山門野4347の6【電話】0996(87)0056【注文受け付け】午前7時~午後5時【定休日】毎週水曜