陸自川内駐屯地に「電子戦部隊」発足 鹿児島県内2カ所目 宇宙・サイバー空間も「南西シフト」

 2023/03/16 07:50
電子戦部隊が配置される川内駐屯地=15日、薩摩川内市冷水町
電子戦部隊が配置される川内駐屯地=15日、薩摩川内市冷水町
 陸上幕僚監部は15日、電波や赤外線で攻撃を防ぐ「電子戦」の部隊を、陸上自衛隊川内駐屯地(鹿児島県薩摩川内市)に16日新設すると明らかにした。2021年3月に健軍駐屯地(熊本市)に発足した第301電子戦中隊隊員の一部が配置される。最新の車載型ネットワークシステムを運用する。

 県内への配置は22年3月の奄美駐屯地(奄美市)に続き2カ所目。奄美を含めた中隊全体の人員は約100人から約190人に増やす。宇宙やサイバー空間、電磁波といった新領域でも「南西シフト」が強まる。

 システムの名称は「NEWS」。周辺国の艦艇や地上部隊が出す電磁波情報を集めて分析し、有事には電磁波を出し相手のレーダーや通信を妨害する。防衛省は対空電子戦部隊の新設も検討している。

 川内の部隊の人数や詳細な装備は明らかにしていない。川内駐屯地には第8施設大隊があり、約500人が勤務している。

 電子戦部隊の本部は朝霞駐屯地(東京都練馬区など)。全国では九州・沖縄を中心に7カ所に配置済み。米子(鳥取県米子市)、高田(新潟県上越市)両駐屯地にも16日新設する。