部位別で最多 「大腸がん」無料検査キットを配布 検診受診率向上へ鹿児島市の37薬局

 2023/03/19 13:30
無料配布している大腸がんの便潜血検査キット=鹿児島市草牟田2丁目のもみじ薬局
無料配布している大腸がんの便潜血検査キット=鹿児島市草牟田2丁目のもみじ薬局
 大腸がん検診の受診率向上につなげようと、鹿児島市内の37薬局が希望者に便潜血検査キットを無料配布(検査代別)している。薬剤師が大腸がんに関する情報提供などを行い、受診を支援する。3月は国際的な「大腸がん啓発月間」。

 キットは40~69歳を対象に31日まで配布する。持ち帰った人は検体(便)を採取し8月末までに薬局に持参。結果判明後に薬局で説明を受ける。陽性の場合、精密検査が可能な医療機関を紹介する。検体持参時、検査代1100円が必要。

 全国がん登録の情報によると、2018年の県内の新規がん患者は1万3180人で、部位別では大腸(1918人)が最多。国の19年度国民生活基礎調査での県内の大腸がん検診受診率は43%にとどまり、全国平均を1.2ポイント下回る。

 今回のキット配布は、保険薬局を活用して大腸がん検診の受診率向上を図る鹿児島大学大学院の研究の一環。もみじ薬局(同市草牟田2丁目)の薬剤師、陣尾祐介さん(42)は「がんは早期発見、早期治療が重要。検診の大切さを考える機会にしてほしい」と話す。

 便潜血検査は職場の健診や人間ドック、市町村の検診などで実施する場合が多い。薬局でのキット配布は新しい試みという。37薬局はもみじ薬局のホームページで確認できる。問い合わせは鹿大衛生学・健康増進医学=099(275)5291。