自衛隊基地整備 馬毛島東部の漁業制限を開始 防衛省 首相官邸前で市民団体が抗議

 2023/03/23 11:56
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
 西之表市馬毛島で米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備を進める防衛省は22日、港湾施設を建設する島東岸の周辺海域で漁業制限を始めた。同日は仮設桟橋などの工事着手も予定していたが、しけのため23日以降に延期した。

 漁業制限は現時点で2027年11月末までとみられ、区域は約1100ヘクタール。うち約100ヘクタールは施設整備によって漁業権が消滅する。

 地元の種子島漁協によると、防衛省は漁業権消滅や工事による制限、漁場価値の減少に対する補償として計約22億円を提示。漁協は今年2月、補償の受け入れに同意した。

 島東岸は特産の貝トコブシ(ナガラメ)の主要漁場。漁協は制限解除後を見据え、区域内で継続して漁場保全活動に取り組めるよう要望している。

 同省側は鹿児島県の許可を受けて今月14日、希少サンゴの移植に着手した。工事は作業船を固定するためのブロック投入からスタートする見込み。

 22日夜、首相官邸前では首都圏の市民団体メンバーらが「馬毛島軍港建設やめろ」などと声を上げた。