東京五輪1次L敗退…「バレー界から離別も考えた」 元日本代表監督の中田久美氏 海外オファーを断って鹿児島で再出発するわけとは
2023/03/25 15:28
エグゼクティブディレクター就任の意気込みを話す中田久美氏=鹿児島市の南日本新聞会館
東京五輪の女子1次リーグ敗退後、一時は「バレー界からの離別」も考えたという中田久美氏。なぜ、これからVリーグに参入する新興勢力・フラーゴラッド鹿児島からのオファーを受けたのか。鹿児島を再出発のフィールドに選んだ中田氏に、どんな未来を描くのかを聞いた。
-東京五輪を終えた時の心境は。
「負けた悔しさと責任感から食事ものどが通らず、完全にメンタルをやられた。15歳で日本代表に入り、ずっと世界と戦ってきた。一度、バレー界と線を引くというか、自分を取り戻したいと考えた」
-次世代のリーダーを養成する東大EMP(エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)を受講した。
「バレーとは違う環境で、違うにおいの熱量を感じたかった。バレーを捨てないと次に進めないと思っていたが、講師から『自分のやってきたことを認めていい』と言われて、胸のつかえが取れた。バレーでの経験をどう生かすかを考えられるように変わった」
-海外の代表監督を含めたオファーを断って、F鹿児島からの打診を受けた。
「一歩も引かない情熱に打たれた。鹿児島からVリーグに挑む、スポーツを通して地域課題を解決するという日置市の強い意志も感じた。東大EMPで学んだ『課題設定能力』を生かせると思った。私自身のリスタートと、F鹿児島のスタートがちょうど合致した」
-バレー界では体罰問題が後を絶たない。
「指導者にも工夫が必要な時代だ。長い歴史と伝統があるバレー界は今、『変えるべき価値』と『変えるべきではない価値』を明確にする必要がある。教育的側面も含め鹿児島から伝えていきたい」
-どんな未来を描く。
「かつて企業チームだったサッカーやバスケットボールは地域密着のプロ化を成し得た。私はずっとバレーを仕事にしてきた。働きながらVリーグを目指すF鹿児島の選手の姿に感銘を受けた。競技に集中できる環境を整えたい。できあがった器ではなく、クラブや地域と一緒に山を登る伴走者として挑戦していく」
【略歴】なかだ・くみ 1965年9月3日、東京都出身。15歳で女子日本代表に初選出。日立の黄金期を築き、五輪にもロサンゼルス(銅メダル)を皮切りに3度出場した。久光製薬監督を経て2017年に女子日本代表監督に就任。21年東京五輪(1次リーグ敗退)を率いた。175センチ、56キロ。
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