自衛隊発表の「万田海岸」…地元では「聞いたことない」 日米訓練の地名に疑問の声「昔から花徳浜だ」 徳之島

 2023/03/28 11:48
自衛隊と米軍が共同で着上陸訓練をした徳之島の海岸=3日、徳之島町花徳
自衛隊と米軍が共同で着上陸訓練をした徳之島の海岸=3日、徳之島町花徳
 自衛隊と米軍が大規模な離島奪還訓練をした鹿児島県徳之島町花徳(けどく)の海岸の名称を巡り、自衛隊側が発表した「万田(まんだ)海岸」に地元から疑問の声が上がっている。「聞いたことがない。昔から花徳浜で通っている」といい、「今後訓練をする場合は変えてほしい」としている。

 訓練は昨年11月と今年3月にあり、自衛隊側はいずれも現場の海岸を「万田海岸」と発表した。一帯は国有の一般公共海岸で、法律上の正式名称はない。

 管理する県河川課によると、受理した自衛隊の使用申請書には「万田海岸(花徳浜海岸)」と書かれていた。県徳之島事務所の担当者は「経緯は不明だが、慣行で万田海岸と言ってきた」と説明する。

 一方、地元集落の区長の山口史さん(74)はこの呼称を聞いたことがないという。「資料をいくら調べても見つからない。違和感しかない」。町花徳支所の職員らも「初めて聞いた」と口をそろえる。

 統合幕僚監部によると、昨年9月ごろ地元に訓練の概要を説明した際、間違いとの指摘を受け、2回目の説明時は花徳浜の名前を使った。その後、万田海岸に戻して発表した経緯は不明という。自衛隊関係者は「万田海岸という名が省内で親しみがあり、違和感なく使っていた」と話す。

 自衛隊側は今後訓練をする場合、地元の意向を反映させたいとしている。町は県と協議して呼称を統一する方針。