鹿児島市スタジアム構想 下鶴市長「景観には特段の配慮必要」 1日に市議会で「DP跡厳しい」と答弁も、本港区での検討は継続

 2023/03/31 09:07
スタジアム整備の考え方を説明する下鶴隆央市長=30日、鹿児島市役所
スタジアム整備の考え方を説明する下鶴隆央市長=30日、鹿児島市役所
 鹿児島市の下鶴隆央市長は30日の定例会見で、鹿児島港本港区で検討する多機能複合型スタジアムについて、ドルフィンポート(DP)跡地への整備は、桜島や鹿児島湾の景観確保で一段高いレベルの配慮が必要との認識を示した。1日の市議会本会議でDP跡一帯への整備は「厳しい」と答弁したのは、こうした課題を総合的に判断した結果とした。ただ、DP跡と住吉町15番街区を含む本港区エリアでの検討は継続する。

 DP跡に整備する場合の主な課題は(1)海側の景観確保(2)隣接するウオーターフロントパーク(緑地)の保全(3)DP跡と緑地の間を通る臨港道路の扱い-。市は(1)スタジアムに新たな眺望スポットを整備(2)エリア内に代替緑地確保(3)臨港道路の付け替え-による解決を目指している。

 とりわけスタジアム整備は、DP跡と緑地の一体的な活用が前提となる。しかし、県の本港区エリア利活用検討委員会は、緑地を現状のまま保存する方向で議論している。下鶴市長は「代替緑地の確保では(検討委の)理解は得られにくい」との見解を述べた。

 景観についても、DP跡に県がかつて打ち出し白紙撤回を余儀なくされたスーパーアリーナ構想を例に、「県民、市民の興味や関心が大きく、民間の建築物とは一段違う配慮が求められる」と説明した。

 スタジアムの整備地を巡っては、浜町バス車庫が民間所有者の意向で候補から外れ、DP跡と住吉町15番街区の県有地2カ所に絞られた。うち、DP跡は塩田康一知事も「厳しい」との現状認識を明らかにしている。一方、県は住吉については検討の余地を残している。