鹿屋の米無人機に新装備 右翼下部に細長い機材確認 電波情報を収集? 専門家推測 米軍「偵察型から攻撃型へ変更ない」

 2023/04/09 11:50
右翼に新たな装備が付けられたMQ9=1月31日、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地
右翼に新たな装備が付けられたMQ9=1月31日、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地
 米空軍が昨年11月から海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)に展開している無人偵察機MQ9に、当初なかった装備が付けられていることが分かった。米軍側は偵察型から攻撃型への変更はないと説明しているが、この装備の機能は明らかにしていない。住民から不安の声が上がっている。

 新しい装備は右翼下部の機体胴部寄りにあり、機体と同じ灰色で、見た目で全長2メートルほどの細長い機材。配備される計8機のうち、少なくとも1機に装着されていた。

 防衛省九州防衛局はこの装備について「米軍の運用に関わり、答えられない」としている。無人機部隊を所管する米軍横田基地(東京)の第374空輸航空団広報部は、取材に対し「運用安全管理上の理由から明らかにできない」と回答した。

 軍事ライターの稲葉義泰氏は「推測の域を出ない」とした上で「他国の軍事通信やレーダーなどの電波情報を収集する装備ではないか」との見方を示す。

 鹿屋基地には、MQ9の運用前から飛来していた米軍機が開始後も姿を見せている。機内に弾薬やミサイルが積み込まれている可能性について、防衛省は「回答する立場にない」としている。

 基地近くの住民(26)は「武器は怖い。無人機には本当にないのか、国は情報を示してほしい」と求める。

 米軍と地域の関係に詳しい明星大の熊本博之教授(地域社会学)は「米軍の装備の情報はほとんど入らない。防衛省も十分に把握できていないのではないか」と指摘。「問題発生後に地元が反対の声を上げても自業自得と見なされかねない。住民自治が侵害されることはないか、普段から考える必要がある」と話した。