作業員増えた、たばこ税も増えた 馬毛島自衛隊基地工事が影響? 種子島の3市町

 2023/05/10 08:27
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
 相次ぐ増税や健康志向の高まりなどで喫煙人口が減る中、鹿児島県の種子島1市2町では2021年度を境に、たばこ税が増収に転じた。新型コロナウイルスの影響で交流人口が減少した一方、西之表市馬毛島の自衛隊基地整備に伴い、島内工事が始まった時期と重なる。1市2町の担当者は「要因の一つに工事関係者が増えたことがあるのではないか」とみている。

 西之表市の21年度たばこ税収入は、前年度比7.9%増の1億3178万円となった。22年度は速報値が出ていないものの、さらに増える可能性が高いという。中種子町は21年度が5.3%増え、22年度は9.0%増の7767万円。南種子町は21年度2.8%増、22年度が3.0%増の4656万円となった。

 日本たばこ産業(JT)などによると、1箱(20本入り)580円の場合、税金が61.7%を占める。このうち国税が23.5%と最も高く、区市町村税が22.6%で続く。各自治体は一般財源として自由に使えるため、人口減で税収が伸び悩む地方にとっては貴重な収入源になる。

 基地整備を巡り、国は22年1月に管理用道路整備の名目で馬毛島での工事を始め、23年1月に基地本体工事、同3月には港湾施設工事に着手した。

 種子島に滞在する工事関係者は4月1日時点で約810人。これから加速度的に投入される見込みで、ピークの24年初頭は3000~4000人に上るとみられる。