ノーマスクどんだけ? 新型コロナ5類以降から一夜、繁華街を歩いてみると…接客スタッフはほぼ着用

 2023/05/10 11:00
木陰で談笑する親子連れら。オープンスペースでもマスク着用率が高い=9日、鹿児島市中央町の共研公園
木陰で談笑する親子連れら。オープンスペースでもマスク着用率が高い=9日、鹿児島市中央町の共研公園
 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが8日、季節性インフルエンザと同じ5類に移った。コロナ禍を象徴したマスクへの意識は変わるのか。一夜明けた9日、鹿児島市の繁華街では「感染対策」「様子見」などを理由にマスク姿がまだ目立った一方、状況に応じて着脱する人も。「笑顔が伝わり会話が弾む」とノーマスクの良さを再認識したという声も聞かれた。

 正午前、同市中央町のJR鹿児島中央駅周辺。行き交う人の大半がマスク姿だ。一番街アーケードを訪れた同市玉里団地3丁目の無職土橋百合子さん(84)は「夫婦共に持病があり、感染が怖いので着用する」。マスクは買いだめし、ごみ出しの時も着けるなど徹底しているそうだ。

 共研公園付近の果物店でノーマスクの店員が目に止まった。「表情が見えると会話しやすい。堂々と外せて気が楽になった」と店主の脇勝江さん(81)。ただし、客が着けている場合は着用するという。

 共研公園では家族連れや若者がノーマスク姿。長女(1)と散歩中の崎山真由さん(37)=同市=は年明けから屋外では外すようにしている。「空気がおいしい。親の顔を見せて話した方が、娘の発達にもいいと思う」

 繁華街の天文館地区では、多くの店舗がマスク着用で接客しているようだ。洋服店の50代の女性スタッフは「お客さんを感染させるわけにはいかない。もし、この店で感染したと広まれば大打撃」と警戒を緩めない様子だった。

 人通りが多いアーケードを抜けた路地では、マスクを外し、胸ポケットやかばんに収める姿が目に付いた。着脱を繰り返す「中間派」が増えているのだろう。

 天文館近くの中央公園ではマスクを外してくつろぐ人が多かった。着用していた専門学校生今村由茄さん(19)=霧島市国分=は「視線が気になり、外すのはまだ怖い。素顔を見せるのも恥ずかしい」と明かした。

 鹿児島市の女性会社員(47)は、ノーマスクの人が感染した場合の風当たりが気掛かりという。「不用意だと追及されるような状況が生まれないか心配。個人の判断を尊重する社会であってほしい」と話した。