(詳報)馬毛島の基地工事関係者はピークで6000人 西之表市長「具体的な数字が出てよかった」

 2023/05/13 11:53
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
 鹿児島県西之表市馬毛島で進む自衛隊基地整備について、防衛省は12日、市役所であった市との協議で、工事関係者の人数がピーク時で最大6000人に上る見通しを示した。種子島の人口の2割超に当たる。ピークは来年2月を想定しており、滞在先は馬毛島が約4000人、種子島約2000人。

 同省が工事関係者数の推移を明らかにするのは初めて。4月1日時点で種子島に約810人が滞在し、12月には約2000人に増える。

 1月に基地本体工事が始まって以降、市民から宿泊施設や住宅の不足、生活ごみの処理などへの懸念が相次ぐ。同省や市の対策遅れを指摘する声もあり、市民の不安は一層強まりかねない。

 同省は、市民生活への影響を軽減するため、馬毛島に3000室超の仮設宿舎を建設中。7月ごろまでに約340室を見込むものの、完成時期について「気象にも左右されるので確定的に言えない」とした。工事関係者による種子島でのレンタカー利用は、4月1日時点でライトバンなど業務用車両を中心に約40台だった。

 同省と市の協議は冒頭以外非公開。飛行場や港湾施設などの進捗(しんちょく)状況や今後の工事予定、工事に合わせて実施している環境保全措置の説明もあった。

 終了後、八板俊輔市長は「具体的な数字が出たことはよかった。現実の動きに対応していく」と述べた。同省の原田道明参事官は「地域に与える影響を最小限にとどめるよう、各自治体と連携して速やかに対応したい」と話した。