3年ぶりの映画鑑賞「5類になるのを待っていた」 移行後初の週末、劇場にぎわう マスク着用が大半

 2023/05/14 08:30
マスク姿で鑑賞に向かう観客=13日午後、鹿児島市の鹿児島ミッテ10
マスク姿で鑑賞に向かう観客=13日午後、鹿児島市の鹿児島ミッテ10
 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行して初の土曜日となった13日、雨模様だったこともあり鹿児島市の映画館は若者や家族連れであふれていた。5類移行前の3月からマスク着用は求めていないが、ロビーではマスク姿の客が目立った。

 午後2時すぎ、同市のアミュプラザ鹿児島6階にある鹿児島ミッテ10を訪れた。ロビーに入るとキャラメルやポップコーンの匂いが広がっていた。

 事前に関係者から「人気作品が多く、ゴールデンウィーク(GW)以降混雑している」と聞いていたが、発券機前に並ぶ人は少ない。安田豊支配人(59)によると、8割以上の客が座席予約を済ませているという。

 午後3時前、人気アニメ作品の上映が近づくと一気にロビーが混み出した。夫と子どもの4人で訪れた同市吉野町の神薗富美子さん(39)は3年ぶりの映画館。「5類になるのを待っていた。ずっと来たかったが、看護師なので自粛していた。子どもに映画館の迫力を味わってもらいたい」と頬を緩めた。

 ポップコーン売り場には、カップルや家族連れら50人以上が並んだ。「GWに比べるとだいぶ少ない」(安田支配人)そうだが、屋内施設でこれだけの行列を見たのは久々だ。にぎわいを目と鼻で思い出した。

 以前は「前後左右を空けて座る」「入退場時の距離確保」などの予防策が取られていたが段階的に緩和。5類移行で手指消毒や検温も客の任意となった。

 劇場に入る客のマスクの有無を観察すると、100人中81人が着けていた。友人と3人で来館した鹿児島商業高校3年の恵島聖太さん(18)は「5類移行は意識していない。劇場内では喋らないので、マスクを外して観るつもり」。メリハリを付けて楽しむ客が多いようだ。

 安田支配人は「コロナ下でスマホ映像を楽しむ人が増えたが、映画館でしかできない体験がある。迫力ある音や匂いなど全身で楽しんでほしい」と話した。