二ホンウナギの救世主なるか 新日本科学、人工稚魚の量産化に自信 生産地でうな重試食会「柔らかい」「香りいい」

 2023/05/18 21:35
人工ふ化させたウナギのうな重を味わう試食会の参加者=18日、和泊町古里
人工ふ化させたウナギのうな重を味わう試食会の参加者=18日、和泊町古里
 ニホンウナギの人工種苗生産研究を進める新日本科学(鹿児島市)は18日、同社沖永良部研究室(和泊町伊延)で卵から人工的に育てたウナギの試食会を同町の飲食店で開いた。商業化、量産化に向け、味と品質を確認する狙い。関係者がうな重にして味わった。

 同社は2026年度に年間10万匹の稚魚生産を目指している。試食会は昨年12月の鹿児島市での開催に続き2回目。同町の行政や協力企業の関係者ら15人が味わい「身が柔らかい」「香りが良い」と喜んだ。

 同社の永田良一会長兼社長は「ここ1年で10万匹に向けた飼育環境や方法が確立した。技術を島のために還元し、和泊産のウナギを全国で食べてもらえるようにしたい」と話した。

 一般的な養殖ウナギに使われる天然の稚魚シラスウナギの漁獲量減少を受け、同社は14年に卵から人工的に稚魚を生産する研究に着手。19年に同研究室を開設し、生存率を上げるための技術開発などを進めている。