国際線再開したいが、地上職員足りない! コロナ対策緩和で追い風なのに…新採見送りや時短勤務下の転職響く
2023/05/19 08:00

航空機を誘導するグランドハンドリング職員=17日、霧島市の鹿児島空港(画像の一部を加工しています)
「定期便を再開しようにも受け入れ体制が整わず交渉にも入れない」と話すのは外国航空関係者。8日にコロナの感染症法上のレベルが引き下げられ、インバウンド(訪日客)拡大のチャンスだけに「出遅れは痛い」と気をもむ。
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カウンターでの搭乗手続きや飛行機の誘導、貨物の積み降ろしと、空港の地上業務を行う従業員は「グランドハンドリング」(グラハン)と呼ばれる。航空会社の制服を着ているものの鹿児島空港では大半を南国交通(鹿児島市)が担う。
コロナ前、国際定期便は、香港、ソウル、上海、台北と4路線あり、2019年には過去最高の約41万人が利用した。コロナ禍で一転し、20年3月に全路線が運休。同社は新規採用を見送り、時短勤務で人繰りを調整した結果、約400人いたグラハンは約320人に減り、国内線で手いっぱいになった。
同社の岩切俊一常務は「コロナ禍では給与を減らさざるを得ず、一部は都市部の空港や他業種に流出した」と明かす。今年1〜4月に大韓航空(韓国)がチャーター便を運航した際は、同航空の数人がサポートに入ってやりくりした。6月の香港線定期便と台北線のチャーター便も各外国航空会社の職員が応援に入る予定だ。
人材確保へ向け、南国交通は今春から初任給や資格手当てを大幅に上げるなど待遇を改善、就職支度金20万円を用意して採用に力を入れる。5月中旬には約360人に戻ったが「まだ国際線に振り分ける余力はない」(岩切常務)という。
航空会社によって異なる社内資格の取得や業務システムの習熟は不可欠で、業界では1人前になるまで3〜5年とされる。ビザ確認などの業務も加わる国際線は、スキルの高い中堅でないと務まらないという事情もある。コロナ禍前の体制を築けるのは「早くても年末くらい」と岩切常務。
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県は昨年度から定期便の確約を条件に運航経費を補助して国際線の早期再開を促してきた。だが、その前提となるグラハン不足は「コロナ禍前に聞いたことはなかった」(県交通政策課の滝澤朗課長)。本年度から職員採用の経費助成を支援に加えた。
九州では国際定期便の再開が相次ぐ。コロナ前に22路線あった福岡空港は、4月末時点で中国線などを除く14路線になった。熊本空港も1月、韓国の格安航空会社(LCC)が定期便を始めた。熊本空港の運営会社は「地上職員の不足感は少なく、受け入れ準備は整ってきている」と話す。
ある運航会社は「一時的なチャーター便と違って、安定した安全運航が必要な定期便はハードルが高い」と説明する。「旅客需要」とグラハンを含む「受け入れ体制」が運航再開の両輪だとし「香港線がスムーズに運航できるのか」と注視している。
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