J3トップクラスの芝生が整う練習場…「わが子のように」目をかけるプロの手入れ法とは 鹿児島ユナイテッド

 2023/05/24 12:02
芝刈りをする黒田康佑さん=ユニータ
芝刈りをする黒田康佑さん=ユニータ
 緑色がまぶしいくらいに輝いている。鹿児島ユナイテッドFCの専用練習場「ユニータ」(鹿児島市喜入)の芝生は、本当にきれいだ。アウェー戦で20試合ほど他県のスタジアムに足を運んだが、ユニータはトップクラスだと思う。手入れをしているのはグラウンドキーパーの沖田征計さん(49)と黒田康佑さん(24)だ。

 「わが子みたいなもの。芝の話なら2時間はできる」と、この道15年の沖田さん。時には芝に鼻を近付けて、においをかぐ。補修や刈り込み、肥料散布など、二十四節気や月齢も考慮しながら“体調”を管理する。人間と同様に調子がいい時も悪い時もあるそうで、奥が深い。

 ユナイテッドの場合、ボールが走ってプレーしやすいよう芝の長さを17ミリに整えるという。監督やスタッフと積極的に会話を重ねて、「選手が使いやすいように」とよりよい環境をつくり出す。練習中も選手に目を配るなど、熱心に観察している。

 黒田さんは入社2年目で、選手たちから「クロちゃん」と呼ばれ慕われている。大学までサッカーに打ち込み、「サッカーに携わる仕事がしたかった。選手たちにけががないようサポートし、一つでも上のカテゴリーを一緒に目指したい」と語る。

 大嶽直人監督は「管理者あってのチームですから」と感謝する。2人は「選手を支えるために、僕らもプロ意識を持って頑張りたい」と口をそろえる。