新型コロナの5類移行が影響…? 「季節外れの感染症」流行の兆し 子ども中心のRSウイルス、インフルエンザも 鹿児島県内
2023/05/28 08:35

発熱があり診察を受ける子ども=25日、鹿児島市のゆあさこどもクリニック
「RSウイルスが春に流行したのはあまり経験がない。注意が必要だ」。鹿児島県小児科医会会長で、鹿児島市のゆあさこどもクリニックの湯浅由啓院長(63)は驚く。
RSウイルスは風邪や肺炎を引き起こすウイルスで、特に1歳未満の乳幼児、基礎疾患のある子どもや高齢者は重症化しやすいとされる。
4月中旬以降、県内の定点医療機関当たり患者数が4.26人に上った。4人を上回ったのは、2021年の10月以来。同ウイルスには、低出生体重児や基礎疾患がある1歳未満を対象とした毎月の予防注射があるが、従来は流行のない4~6月は行っていない。今年は時期外れの増加で4月以降も継続している状況だ。
湯浅院長は「RSウイルス感染症は小児の間に何度もかかる。ひどいせきや水分が取れないなど症状が続く場合はすぐに医療機関を受診してほしい」と話す。
主に冬に感染が拡大するインフルエンザの感染者も減る傾向にない。県内では5月15~21日時点で、1定点当たり1.88人を確認。中でも鹿屋保健所管内は11.13人と、流行発生注意報の基準値(10.0)を上回った。
新型コロナウイルス禍の20年から22年の同期間の報告はともに0だった。感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授によるとインフルエンザB型はこれまで春から初夏にも見られたが、現在確認されているウイルスの型はほとんどA型で、この時期は珍しい。
宮崎や大分県では学校での集団感染が相次いだ。コロナ禍以降マスク着用の習慣でインフルエンザの感染者が減り多くの人の免疫が低下した一方、5類移行に伴い感染対策が緩和されたことが影響したと考えられる。西教授は「県内でも集団感染の可能性はあり得る」と注意を呼び掛ける。
RSウイルス、インフルエンザとも空気中を漂う微小粒子「エアロゾル」によって感染する。「RSウイルスは大人も感染するが、発熱がなく感染に気付くことが難しい。少しでもせきやのどの痛みなどがあればマスクを着用し、周囲にうつさない配慮を」と訴えた。
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