スタジアム賛否二分 立地案28件、不要案36件 県公募の本港区利活用アイデア 経済効果と景観巡り評価割れる
2023/05/31 07:28

ドルフィンポート跡地とウオーターフロントパーク=1月12日、鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
アイデアはドルフィンポート(DP)跡地への県新総合体育館整備を前提に、DP跡地以外のエリア全体像を決める県利活用検討委員会の参考にするために募った。スタジアム構想の賛否を問うものではないが、寄せられた賛否は全体の27%にとどまり、構想自体が浸透しきれていないことをうかがわせた。
賛成意見として「鹿児島ユナイテッドFCの試合は毎回5000人近くの集客があり、鹿児島でここまでできるイベントは他にない」と経済効果を期待した。「世界でも珍しい活火山を見渡せるスタジアムは一度行ってみたい施設になる」と景観を生かしたランドマークの誕生を求めた。
反対意見は「試合やイベントがある時以外、足が向かず、日常的な集客にはつながらない」と経済波及を疑問視する声や「スタジアム建設は(桜島と鹿児島湾を望む)緑地をつぶす」「本港区エリア外に建てるべきだ」と景観悪化を懸念する記述があった。「税金の無駄」との指摘もみられた。
市はスタジアムを「DP跡地、住吉町15番街区を含む本港区エリア」で検討している。DP跡は新体育館整備の準備が進む。住吉町は敷地拡張などが課題となり、市議会では北ふ頭が取りざたされている。下鶴隆央市長は「県検討委の(各エリアの機能を決める)ゾーニング議論で、市の考えを述べる」としている。
賛否には触れず「県と市が対立している構図は得策ではない」と連携不足への言及もあった。
南日本新聞の集計では、DP跡地への新体育館計画に反対・否定的意見は32%に当たる76件あった。体育館整備前提のアイデア公募のため、賛成の記述は少なく、賛否割合は不明となっている。
◇集計の方法
鹿児島県が公表した利活用アイデア全234件を対象に、鹿児島市が本港区エリアで構想する多機能複合型サッカースタジアムへの賛成・反対の件数を調べた。エリアの全体像を網羅したアイデアにスタジアムの記載がないものは反対にカウントした。
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