米軍機? 奄美で最大80デシベルの騒音観測 地下鉄の車内レベル 4月 70デシベル以上が14回 九州防衛局が常時測定開始

 2023/06/03 08:04
〈資料写真〉2022年7月、奄美空港に着陸した米軍のオスプレイ2機=奄美市笠利
〈資料写真〉2022年7月、奄美空港に着陸した米軍のオスプレイ2機=奄美市笠利
 米軍機の低空飛行の目撃や改善要望が続いていることを受け、九州防衛局が2023年度から、東シナ海沿岸にある奄美市名瀬知名瀬で航空機騒音の常時測定を始め、4月は70デシベル以上の騒音を14回、最大で80.9デシベル(地下鉄の車内に相当)を観測していたことが分かった。同局は米軍機の可能性が高いと認め、「住民の影響が最小限となるよう求めていく」としている。

 同局が基地周辺以外で常時観測するのは初めて。特に目撃例が多い知名瀬集会場の屋上に自動測定装置1台を設置した。

 測定では、生活環境の保全に望ましいとされる環境省の基準を踏まえ、70デシベル(主要幹線道路周辺に相当)以上を集計する。4月に騒音が確認されたのは午前7時〜午後7時が9回、夜間の午後7時〜同10時が5回あった。平均は77.6デシベル。火、水、木曜日が多く、土日の日中も確認された。

 同局は「騒音のみで特定できないが、住民意見やこれまでの調査結果を踏まえ、米軍機飛行があるものと考える」と説明。要望が続いていることには「米軍の運用に関わる部分もあり、(改善例を)示すことは困難だが、継続して求める」とコメントした。

 米軍機の飛行を巡っては、輸送機オスプレイが沖縄や奄美、トカラ列島を結ぶ「パープルルート」で訓練していることが米軍環境報告書で確認されている。

 16年12月に沖縄県でオスプレイが大破した事故に関する米軍報告書では、奄美大島を1周する形の低空飛行訓練ルートを非公表で設けていたことが判明した。事故機は奄美や与論島、沖縄本島周辺で、低空飛行、空中給油、夜間離着陸の3訓練を実施。奄美での低空飛行が最もリスクが高いとしていた。