鹿児島県西之表市の八板俊輔市長は２５日、自衛隊基地整備が進む同市馬毛島を視察した。今年１月に着工してから初めて。終了後、報道陣に「市の活用計画の方向ではないことに残念な思いがある。後戻りできるならそうありたい」と述べた。

　漁船での往復を含め、視察は約３時間。葉山港に上陸し、基地着工以前からある破損箇所などを確認した後、船で島を周回した。

　八板市長が島に上陸したのは、２０２０年に市が実施した小中高生向けの体験活動以来。「内陸部の工事の状況も見たかったが、安全面に問題があるとして防衛省から許可が出なかった」と説明した。

　馬毛島を巡り、市は１７年に自然や歴史・文化に焦点を当てた利活用策をまとめている。八板市長は「私の理想は変わっていない。島全体が大きな魚礁でもあり、工事が進み、島民の財産が失われた感じだ」とも話した。