月面着陸ピタリ! 28日打ち上げの探査機スリム、誤差わずか100m「降りたい」場所へ 5本足で転倒リスクも回避
2023/08/26 08:06

H2A47号機に搭載される小型月面探査機「SLIM(スリム)」=6月、南種子町の種子島宇宙センター
月には水が氷の状態で存在する可能性があり、世界で探査計画が活発化。高度な技術が必要となる探査機の着陸には米国、旧ソ連などが成功し、23日にはインドの無人月探査機が月の南極付近に軟着陸した。日本は2022年に打ち上げた「オモテナシ」との通信が途絶えるなど着陸の実績はない。
スリムは月面撮影用カメラの画像から目的のクレーターを識別し、事前に入力された月の地図情報と照合。自身の位置を修正し、狙った場所に着陸する。
従来の着陸精度は数キロから十数キロとされる。「降りやすい場所に降りる」から「降りたい場所に降りる」探査への転換を図る。
JAXAによると、今後の月面探査では、着陸が難しい傾斜地などでの調査が求められるようになる。5本の足を持つスリムは斜面に沿ってあえて倒れ込むように着陸し、転倒リスクを避けるユニークな技術を採用する。
打ち上げから3~4カ月後に月周回軌道に到着し、4~6カ月後の着陸を見込む。月の形成や進化を解き明かす手がかりとなる「カンラン石」の成分を分析する予定だ。
47号機にはエックス線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」も搭載。銀河団などを観測し、宇宙の構造形成の解明を目指す。
◇H2A47号機 28日に再延期
三菱重工業は25日、南種子町の種子島宇宙センターで27日に予定していたH2Aロケット47号機の打ち上げを、28日午前9時26分22秒に再延期すると発表した。天候の悪化が予想されるため。予備期間は9月15日まで。
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