小型月面探査機「スリム」を軌道に分離 エックス線分光撮像衛星も H2Aロケット47号機、打ち上げ成功 種子島宇宙センター

 2023/09/07 09:31
燃焼を終えたSRBを切り離し上昇を続けるH2Aロケット47号機=7日午前8時44分、南種子町の種子島宇宙センター
燃焼を終えたSRBを切り離し上昇を続けるH2Aロケット47号機=7日午前8時44分、南種子町の種子島宇宙センター
 三菱重工業は7日午前8時42分、日本初の月面着陸を目指す小型探査機「SLIM(スリム)」とエックス線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」を載せたH2Aロケット47号機を鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げ、予定の軌道で分離した。H2Aは2005年の7号機から41基連続で打ち上げに成功し、成功率は97.87%となった。

 スリムは月面の狙った場所へのピンポイント着陸を目指す。打ち上げから3〜4カ月後に月周回軌道に到着し、4〜6カ月後の着陸を見込む。

 クリズムは、不具合などのため短期間で運用を停止したエックス線天文衛星「ひとみ」の後継。銀河団などを観測し、宇宙の構造形成の解明を目指す。

 国産の大型ロケット打ち上げは、3月に新型主力機H3の1号機が失敗して以降初めて。当初は5月ごろの打ち上げを計画していたが、「H3」1号機と同系の機器を使用し、原因究明のため延期。8月26日に変更した後、天候を理由に3度延期した。