H2Aロケット、上空の風強く打ち上げ中止 月面探査機搭載 種子島宇宙センター

 2023/08/28 09:10
射点で打ち上げを待つH2Aロケット47号機=28日午前8時43分、南種子町の種子島宇宙センター
射点で打ち上げを待つH2Aロケット47号機=28日午前8時43分、南種子町の種子島宇宙センター
 三菱重工業は28日午前、小型月面探査機「SLIM(スリム)」とエックス線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」を登載したH2Aロケット47号機を種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げ予定だったが、中止すると発表した。上空の風が強く、打ち上げ条件を満たさないため。現時点で延期日は未定。

 H2Aは1月の46号機まで40機連続で成功し、成功率は97.82%を誇る。

 スリムは月面の狙った場所へのピンポイント着陸を目指す。打ち上げから3〜4カ月後に月周回軌道に到着し、4〜6カ月後の着陸を見込む。

 クリズムは、不具合などのため短期間で運用を停止したエックス線天文衛星「ひとみ」の後継。銀河団などを観測し、宇宙の構造形成の解明を目指す。

 国産の大型ロケット打ち上げは、3月に新型主力機H3の1号機が失敗して以降初めて。当初は5月ごろの打ち上げを計画していたが、「H3」1号機と同系の機器を使用し、原因究明のため延期していた。