人工呼吸器やたん吸引 家族が付きっきり…医療的ケア児 支援の中核に 鹿児島市にセンター開所、保護者「やっとという気持ち」

 2023/09/06 08:03
開所式に参加した医ケア児・者と家族ら=5日、鹿児島市の県医ケア児等支援センター
開所式に参加した医ケア児・者と家族ら=5日、鹿児島市の県医ケア児等支援センター
 鹿児島県医療的ケア児等支援センターが5日、鹿児島市桜ケ丘6丁目に開所した。医ケア児や家族支援の中核として、一元的な相談対応や情報提供、関係機関との連絡調整を担う。

 県こども総合療育センターと同じ建物の1階に設置された。県看護協会が運営を受託し、看護師2人と事務員の計3人体制。電話や来所による相談に応じるほか、保育園や学校での研修や人材育成の催しなども予定する。

 開所式があり、塩田康一知事ら関係者約20人が参加。県医ケア児者家族会の柿内祥子代表(44)は「(センターの開所は)やっとという気持ち。ケアが必要な人やその家族がどこに住んでいても当たり前の生活を送れるように、理解と協力をお願いしたい」と期待を述べた。

 式の後、医ケア児者5人の保護者は塩田知事に対し「家族が付きっきりでケアする必要がある」「学校を卒業した後の行き場所がない」といった現状を伝えた。

 医ケア児は、人工呼吸器やたんの吸引が日常的に必要な子どもを指す。2020年7月時点で県内に242人。21年施行の医ケア児支援法は、各都道府県にセンター設置を促しており、23年4月時点で43都道府県が設置済みだった。支援センター=099(814)7418。