H3ロケット1号機失敗 JAXA「部品実績を重視。検査が不十分だった」 分析結果を公表、電気系統の計測や開発を強化

 2023/09/26 07:53
3月7日、地球観測衛星「だいち3号」を搭載し上昇するH3ロケット1号機=南種子町の種子島宇宙センター
3月7日、地球観測衛星「だいち3号」を搭載し上昇するH3ロケット1号機=南種子町の種子島宇宙センター
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、打ち上げに失敗したH3ロケット1号機について「部品の実績を重視し、検査が不十分だった」などとする分析結果を明らかにした。文部科学省の有識者委員会で報告した。

 JAXAは、ショートを招いた失敗要因の背景を調査。対策として2段目エンジンの点火装置では、H2から使用し続ける機器に不具合がないかを確認する。

 打ち上げ前や飛行中に過電流が発生した際、原因箇所が特定しやすいように計測データの充実も図る。いずれの対策も「H3」2号機から取り入れる。

 H3は従来のロケットと比べ電気系統が複雑になっており、専門性の高い技術者を開発陣に確保する。

 「H3」1号機は3月7日、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。1段目と2段目の分離後に、2段目エンジンが着火せず指令破壊された。