桜島フェリー 大人運賃50円増、普通車400円増へ 24年7月から、定期・回数券の割引拡充 鹿児島市が改定案

 2023/09/28 08:38
来夏の値上げを検討する桜島フェリー=27日、鹿児島市本港新町
来夏の値上げを検討する桜島フェリー=27日、鹿児島市本港新町
 鹿児島市船舶局は27日、2024年7月1日に値上げ予定の桜島フェリー運賃の改定案を示した。普通旅客の大人料金を50円増の250円、普通乗用車(車長4~5メートル未満)を400円増の2350円とするなどの内容。日頃利用する住民らに配慮し、通学定期券や回数券の割引率を増やす方針。フェリー事業は赤字が続いており、改定などで31年度末までの収支均衡を目指す。

 同日の市船舶事業経営審議会で説明した。運賃改定ではそのほか、小児は30円増の130円、軽自動車など(同3~4メートル未満)は300円増の1700円。

 通学定期券(1カ月)は大人80円増の1880円、小児40円増の940円。65歳以上向けのシニア定期券5250円(同)も新設する。通勤定期券(同)は1350円増の6750円。

 回数券は旅客(36枚)が大人1000円増の7000円、小児640円増の3640円。軽自動車など(40枚)は4万7600円で、車長4~5メートル未満の普通乗用車(同)は6万5800円。通学定期券と回数券は割引率を手厚くした一方、通勤定期券は現行のまま据え置いた。

 市電・市バスなどの1日乗車券提示による運賃割引(2割引き)は廃止する。

 委員は「通常運賃で住民へ配慮するのは難しいのか」と質問。同局は、海上運送法上、特定の地域住民を優遇する運賃設定はできないとして「割引制度の拡充による配慮を考えた」と説明した。

 終了後、有村隆生局長は「事業継続のためには改定はやむを得ない。(観光客と住民で区別するなど)二重の料金設定ができない中、なんとか地域住民へ配慮できないか考えた案だ」と理解を求めた。

 今後3回程度の会合を開き、改定の必要性や改定内容の妥当性について審議する。1月をめどに答申を受け、来年の第1回定例市議会に条例改正案を提出する予定。