長時間労働の31事業所で「過労死ライン」超える 鹿児島労働局が135事業所を立ち入り調査 100時間超は20

 2023/09/30 07:30
 鹿児島労働局は29日、2022年度に立ち入り調査した長時間労働が疑われる135事業所中、31事業所が「過労死ライン」とされる月80時間を超えていたと発表した。68事業所(50.4%)で、違法な時間外労働があった。

 過労死ライン超えの31事業所のうち、20事業所で100時間超、6事業所で150時間超、2事業所で200時間超、最長で月204時間の時間外労働が確認された。

 調査は22年4月~23年3月、過重労働による労災請求や情報提供のあった事業所を対象に労働基準監督署が実施した。31事業所(23.0%)で賃金不払い残業、53事業所(39.3%)で過重労働による健康障害を防ぐ措置の未実施が確認され、全体の83.7%に当たる113事業所で労働基準関係の法令違反があった。

 違法残業をさせていた事業所の業種別では、卸売・小売業を含む商業が22事業所で最も多く、運輸交通業が21、接客娯楽業が16と続いた。

 同局は11月の過重労働解消キャンペーン期間中に重点的に監督指導する。森川直哉労働基準部長は「安心安全な職場環境の整備と適切な労務管理が実施されるよう周知・指導に努める」と話した。