県立全寮制一貫教育 楠隼中・高校の共学化 「男子校の魅力失われる」「決定ありき」保護者から批判相次ぐ 説明会3時間オーバー

 2023/10/01 08:27
鹿児島県教育委員会が開いた説明会に参加する保護者ら=30日、肝付町文化センター
鹿児島県教育委員会が開いた説明会に参加する保護者ら=30日、肝付町文化センター
 鹿児島県教育委員会は30日、県立楠隼(なんしゅん)中学・高校(肝付町)の共学化、全寮制廃止の方針について、保護者向けの説明会を開いた。オンラインを含め約150人が出席した。参加者や県教委によると、「説明不足」「男子校の魅力が失われる」などと反対する保護者から批判が相次ぎ、当初1時間半の予定だった会は約4時間半に及んだ。

 午後1時半から肝付町文化センターで開かれた会は非公開。

 県高校教育課によると、方針の概要を説明した後、質疑応答に移った。共学化は2026年度から段階的に実施される方針が示されている。PTA会長の男性(53)は「具体的なロードマップは示されなかった。決定ありきだと再確認した」と非難した。

 中学2年生の保護者の女性(51)は「多様性などの面から変革はあっていい」と受け止める。一方「女子トイレの拡充など課題はある。県の動きを注視したい」とした。

 同課の紺屋宏昭課長は「今後も場を設け、丁寧な説明をしたい」と話した。

 楠隼中・高を巡っては、6月に塩田康一県知事が共学化、自宅通学受け入れを表明。方針の中止・再考を求める陳情6件については、9月27日の県議会文教観光委員会で反対多数で不採択となっている。