小2の翔くん、383キロの「なつこ」を引く 鹿児島の和牛コンテスト「共進会」で堂々デビュー、会場の注目集める

 2023/10/01 15:07
大人に交じり堂々と牛を引く中園翔君=30日、霧島市の姶良中央家畜市場
大人に交じり堂々と牛を引く中園翔君=30日、霧島市の姶良中央家畜市場
 第72回鹿児島県畜産共進会が30日、霧島市の姶良中央家畜市場であった。各地区の予選を勝ち抜いた和牛が出品され、最高賞のグランドチャンピオンには鹿児島中央地区の父系群区の3頭が選ばれた。同地区は団体でも優勝した。地元であった2022年全国和牛能力共進会(全共)の翌年で、4年ぶりに入場制限のない通常開催だったことから大勢の観客でにぎわった。若雌1区、2区、父系群区の3部門に、離島を含む10地区から計59頭の出品があった。

 若雌1区では、西之表市の榕城小学校2年の中園翔君が牛を引き、注目を集めた。初出場ながら自身よりはるかに大きな牛をしっかり立たせ、最優秀賞9席に入賞した。ただ、同じ区に出品した父昌吾さん(43)の4席に及ばず悔し泣き。ほろ苦いデビューとなった。

 翔君は「師匠」と仰ぐ昌吾さんにライバル心を燃やす。引き手として初めて出場した地元の予選では昌吾さんに次ぐ2席だった。県共に向けて夏休みは毎日、2学期になってからも放課後に牛舎に通い、牛のブラッシングやシャンプー、立たせる練習に励んできた。

 翔君が引いた「なつこ」は体重383キロ、体高125センチ。翔君は審査の間、牛の首や頬をなで牛をなだめつつ、美しい姿勢を保たせた。牛飼いを目指す翔君は「次は足の間隔をちゃんとそろえてお父さんに勝ちたい」とリベンジを誓った。