40年前に一大ブーム あの立体パズルに児童が夢中、記録1分以内が4人も 仕掛けた58歳校長は当時未達成「努力の大切さを教えたかった」

 2023/10/01 21:23
ルービックキューブを完成させる早さを競う児童と時間を計る上唐湊司校長(右)=29日、霧島市の国分南小学校
ルービックキューブを完成させる早さを競う児童と時間を計る上唐湊司校長(右)=29日、霧島市の国分南小学校
 鹿児島県霧島市の国分南小学校の上唐湊司校長(58)は、六面立体パズル「ルービックキューブ」を活用した教育に3年前から取り組む。指先で立方体を縦横に動かして各面の色をそろえるパズルで、思考力や根気強さを育むのが目的。児童は休み時間などに解くスピードを競い合っている。

 ルービックキューブは、1970年代にハンガリーの建築学教授のエルノー・ルービック氏が、学生に3次元幾何学を説明するために考案。国内メーカー「メガハウス」(東京)の2020年の調査によると、脳の前頭前野を活性化する効果が判明したという。

 上唐湊校長は校長室にキューブと解法を書いた紙を置いて、遊びに来た児童にやり方を教えている。全校朝礼で実演したり、そろえる時間を競う大会を開いたりしてきた。

 日本で発売され大ブームになった40年前、上唐湊校長は面をそろえることができなかった。ふとしたきっかけで10年ほど前に再挑戦。練習の末に完成させることができた。「努力すれば多くのことは達成できると気付かされた。いつか教材として使おうと思った」と振り返る。

 現在、4人の児童が1分以内に完成できる。3年生の石塚蓮君は「努力しただけ早くなるのが楽しい」。6年生の森紫磨(しいま)君は「難しくて投げ出しそうになったが、友達と励まし合うことで解けるようになった」と充実した表情。上唐湊校長は「完成した時の達成感は格別。成功体験を積んで勉強に生かしてほしい」と話した。