身近で利用しやすい「届出避難所」 自治会公民会4カ所登録 日置市、収容能力向上

(2020/06/29 20:00)
玄関のドアに届け出避難所の表示が張られた田之湯自治公民館=日置市東市来長湯田
 日置市は、災害時に自治会公民館などに自主的に開かれる避難所を登録する「届出(とどけで)避難所」制度を導入した。市の指定避難所以外に住民が身近に利用できる施設の確保と同時に、市全体の収容能力向上を狙う。16日に、4自治会公民館に登録認定標識を交付した。自治会側も「住民が避難しやすくなる」と歓迎する。

 登録は上床(東市来)、田之湯(同)、帆之港(日吉)、上方限(伊集院)で、いずれも自治会が運営する公民館。避難所を開設する際には市に報告し、市は救援物資を届ける。各公民館には、広間など避難可能なスペースが22~82平方メートルあり、計105人の利用が見込める。
届出避難所の標識を受け取る自治会長=日置市役所

 市の指定避難所は、地区公民館や体育館など50カ所。市総務課によると、避難移動の利便性や安全性を高め、収容能力を高めるため指定を増やしたい考えだ。しかし、増加に伴い運営に当たる職員や避難先施設の確保が困難になると予想。群馬県などでの取り組みを参考に、届け出制度を検討してきた。

 今年5月、立地条件や開設手続きを定めた要綱を作り、自治会長の会合で告知した。申請があった自治会公民館5カ所の立地や建物の状態を調査し、4カ所の登録を決めた。

 田之湯自治会は湯之元市街地にあり、約500世帯1000人が暮らす。昨年7月の大雨では、近くの大里川が増水、川沿いに住む住民らが避難した。

 ところが、約400メートル離れた指定避難所には80人以上が集まりいっぱいになった。提示された別の避難所も川を渡らなければならず、あきらめる住民がいた。秋嶺良一自治会長(71)は「登録は避難希望者を収容し、危険箇所を避けるためにもよかった」と話す。

 山間部にある上床自治会は、指定避難所まで2キロ。馬場口昭浩会長(54)は「自治会公民館だったら高齢者も歩いて行ける」とメリットを挙げる。

 市は、新型コロナウイルス対策で3密を避けるため、本年度は避難所の収容定員を半分にする予定。「届出避難所は分散化の受け皿にもなる。今後も自治会にお願いし、増やしていければ」としている。