J3・鹿児島U 応援リーダーは“レジェンド”元主将 変わらぬ情熱で後押し

(2020/06/29 09:18)
リモート観戦のサポーターに見どころを伝える田上裕さん=27日午後5時56分、鹿児島市与次郎1丁目
 「サッカーで鹿児島を元気に」という熱い思いは、ピッチを去っても変わらない-。鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)を長年けん引し、昨季限りで引退した田上裕さん(34)。現在は「応援リーダー」として地元を盛り上げようと奔走する。J3が開幕した27日は、ファンとともにリモートで観戦、現役時代と変わらない情熱でチームを後押しした。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月初旬に予定されていたリーグ戦開幕は延期され、チームは4月中旬から活動休止を余儀なくされた。「ピンチはチャンス」と、田上さんは毎日のように会員制交流サイト(SNS)を更新。動画を自ら編集するなど、さまざまな取り組みでクラブとサポーターの架け橋となった。「今まで以上にクラブを愛してもらい、2倍楽しんでもらいたかった」

 4カ月近く待たされた開幕。「スポーツは人の心を動かし、普段味わえないような感情を生み出してくれる。開幕できることにいつも以上の喜びを感じる」と話す。

 鹿児島市出身。「地元にJクラブを」と先頭に立って走り、クラブ誕生に携わった初代主将。「感謝」が口癖という謙虚な姿勢と、ひたむきなプレースタイルが人気を集めた“レジェンド”だ。応援リーダー就任は「県民が一緒に戦い、盛り上がる熱を消したくない」と自ら申し出た。

 4月末、感謝と謙虚の大切さを教えてくれた父・裕志さんが他界。その翌日も、SNSでファンを楽しませようとクラブに関するクイズを出題した。「どういう状況であっても、人を笑顔にしたいという思いはぶれない」

 開幕戦のリモート観戦では、選手時代の体験談で笑いを誘う一方で、開催にこぎ着けたことに感極まって涙ぐむ場面も。「選手時代より緊張した」という体験に「一人一人の表情を見ながらプレーに一喜一憂し、リモートとはいえ皆さんの思いを肌で感じることができた。選手に近い目線での発信を今後も続けたい」と語る。

 選手としてピッチに立つことはない。それでもJ3優勝を目指すクラブのため、応援し支えてくれるファンのため、現役時代と変わらぬひたむきさでこれからも走り続ける。