養鰻池に土砂、水田浸食…大雨で農林水産業被害相次ぐ 鹿児島県

(2020/07/09 13:00)
川からあふれた水でえぐられた水田=鹿屋市祓川町
川からあふれた水でえぐられた水田=鹿屋市祓川町
 3日からの大雨で、鹿児島県内の水田や果樹園、ウナギの養殖池などでも、崖崩れや土砂流入などの被害が相次いだ。

 鹿屋市祓川町の肝属川周辺では堤防が決壊して水田に川の水が流れ込み、約300平方メートルがえぐり取られた。田植えが済んだばかりの駒路弘志さん(60)は「(河川管理者に)せめて土のうを積んでもらわないと、残った田も崩れてしまう」と一刻も早い復旧を訴えた。
崖崩れで倒壊した養鰻場のポンプ室=志布志市有明町野井倉
崖崩れで倒壊した養鰻場のポンプ室=志布志市有明町野井倉

 さつま町中津川の花卉(かき)農家の今村耕一さん(70)は、葉物のアイビーを育てるビニールハウスが土砂崩れで一部押しつぶされた。泥水が入り込み、3分の1程度は出荷できない見込みだ。

 コロナで出荷量が落ち込んだところに、水害が追い打ちをかけた。「秋には需要が戻るかもしれないと頑張ってきたのに。復旧させたいが、先が見通せず頭が痛い」と話す。
土砂で一部が押しつぶされたビニールハウス=さつま町中津川
土砂で一部が押しつぶされたビニールハウス=さつま町中津川

 志布志市有明の楠田淡水では、崖崩れで24カ所ある養鰻(ようまん)池の半分以上に土砂が流入し、水を入れ替えるポンプ室も倒壊した。土用の丑(うし)の日向けに約12トンを出荷予定だったが「餌を与えられず、十分に育つかどうか」と楠田和也社長(31)。「コロナが一時収まり、出荷態勢も整った矢先だけに残念」と肩を落とす。

 県によると、8日午後3時現在、伊佐市、薩摩川内市、出水市などの水田54.4ヘクタールに土砂が流入するなどし、伊佐市のカボチャと根深ネギの計12.6ヘクタール、南さつま市の葉タバコ1ヘクタールが冠水。出水市では甘夏の果樹園計50アールに土砂が流入し倒木したほか、鶏舎が浸水しブロイラーのひな1800羽が死んだ。

 伊佐市とさつま町ではハウス計4棟に土砂が流入。長島町では林道ののり面・路肩崩壊が17件、南九州市、鹿児島市、薩摩川内市などでは林地計8カ所が崩壊、出水市の治山施設4カ所が被害を受けた。

 水産業では、薩摩川内市の手打漁港で背後の斜面が崩れ、土砂除去に110万円を見込む。被害額は調査中で、今後も増える可能性がある。