コロナと熱中症対策の両立 夏の学校現場苦慮

鹿児島県内 水筒持参呼び掛け、冷房使用時の換気は課題
(2020/05/25 09:10)
持参した水筒で水分補給する児童=20日、鹿児島市の荒田小学校
 本格的な夏に備え、鹿児島県内の学校現場では、新型コロナウイルスの感染予防と熱中症対策の両立が懸案となっている。熱のこもりがちなマスク着用が定着する中、小まめな水分補給のために水筒持参を呼び掛け、クーラー使用時の教室換気に頭を悩ませている。専門的な助言を得るため学校薬剤師と連携を強める動きも出てきた。

 「歌う時は大きな声は出さず、ささやく程度で」。20日、鹿児島市の荒田小学校の音楽室では下忠雅子教諭が、間隔を空けて並ぶマスク姿の6年生35人に呼び掛けた。飛沫(ひまつ)感染を防ぐ苦肉の策だ。「夏になればマスクの内側が蒸れて、小声すら息苦しいだろう」と心配する。

 児童らは学校が再開した11日以降、水筒を持参する。5年池田壮真君は「休み時間に水道に行かずにすむので、密集を避けられる」と話す。下江嘉誉校長は「ウイルス対策は長期戦。夏場に向けて、今から準備が必要」と強調する。

 霧島市の国分中学校は、生徒が利用する冷水機の消毒を徹底する。教員が交代で一日3回作業し、飲み口は消毒液が入ったスプレーで、生徒の手が触れる部分は雑巾で拭き上げる。大園克臣教頭は「保護者などから雑巾や消毒液の寄付があり、ありがたい」と語る。

 クーラーを使う時や降灰・雨天時の換気も課題だ。鹿児島市の広木小学校は、外気が入る窓を閉めて教室の廊下側のドアを開けるなど検討を重ねている。

 さらにマスクを着けた児童は表情が読み取りにくく、体調の異変を察知しにくい。橋口俊一校長は「児童が発熱した時に、熱中症かコロナ感染か見極めるのも難しい」と明かす。校内の環境衛生面を指導する学校薬剤師との連携も見据える。

 県薬剤師会はクーラーの利用について(1)換気扇の活用(2)対角線上の窓を開けて空気の流れを作る-の対策を提案する。岩倉ひろみ常務理事は「連携を強化し、学校生活の安全を整えたい」と話した。