下甑島で海生ワニの歯の化石発見 白亜紀8000万年前の地層から 国内で初報告

(2020/09/17 06:30)
薩摩川内市鹿島町で発見された海生ワニ類の歯
薩摩川内市鹿島町で発見された海生ワニ類の歯
 薩摩川内市鹿島地区(下甑島)の中生代白亜紀後期(約8000万年前)の地層から見つかった海生爬虫(はちゅう)類の化石が、海生ワニ類と、海生トカゲ類(モササウルス類)の歯と分かった。市が16日、発表した。海生ワニ類の化石発見が報告されるのは国内初で、専門家は「北西太平洋にも生息していたことを示す貴重な標本」と話す。

 海生ワニ類の歯は長さ約2.5センチ、最大幅1.1センチ。北九州市立自然史・歴史博物館の御前明洋学芸員(41)が2018年11月に発見した。獲物を逃さないよう内側にカーブしており、魚食性だったことを示す。ガビアル類またはディロサウルス類とみられ、推定全長は3~4メートル。

 白亜紀後期の海生ワニの標本は世界的にも少なく、主に大西洋沿岸で出土。国内では24年前に北海道で見つかっているが研究が進んでおらず、今回が初めての報告となった。

 「海の王者」とも呼ばれるモササウルス類の化石出土は県内初。歯は長さ約1.2センチ、最大幅約0.8センチで、熊本大学大学院の小松俊文教授(49)が発見した。九州での確認は2例目。

 甑島では16年にハドロサウルス類の骨が出土するなど、陸にすむ恐竜の化石発見が相次いでいる。国立科学博物館標本資料センターの真鍋真・コレクションディレクター(60)は記者会見で「恐竜の化石発見が多い中国やモンゴルには海の地層がない。甑島は陸と海両方の地層が残っている」と説明。「環境の大きな変化の中でモササウルスは絶滅し、ワニは生き残った。研究を続けることで、海と陸で生き物がどのように進化し生き残ってきたかの解明につながるのでは」と期待した。

 化石2点は20日から、市役所鹿島支所で一般公開する。

海生ワニ類の復元図の例(ステネオサウルス)(©徳川広和)
海生ワニ類の復元図の例(ステネオサウルス)(©徳川広和)