時計 2021/04/23 23:25

国内最古級 2500年前の船材 弥生前期後半、中津野遺跡から出土 専門家「外洋航海の証拠」

国内最古級とみられる約2500年前の準構造船の舷側板=23日、霧島市の上野原縄文の森
国内最古級とみられる約2500年前の準構造船の舷側板=23日、霧島市の上野原縄文の森
 鹿児島県立埋蔵文化財センターは23日、南さつま市金峰の中津野遺跡で2008年度に出土した木材が、約2500年前(弥生時代前期後半)の「準構造船」の部材と判明したと発表した。国内の出土例を100年ほどさかのぼり、最古級という。専門家は「高度な造船技術で、外洋航海が行われていたことを示す証拠」と評価する。27日から上野原縄文の森(霧島市)で公開予定。

 準構造船は丸木舟から発展し、積載量を増すため側板などを取り付けたもの。

 センターの寺原徹調査課長によると、木材はカヤ製の板で、長さ2.7メートル、幅30センチ、厚さ5センチ。18年から本格的に調査し、形状やほぞ穴から準構造船の舷側板と判断した。その後の放射性炭素年代測定で、紀元前5~4世紀の木材と分かった。

 板は水の抵抗を防ぐためか、片面が丁寧に削られている。また別の舷側板と連結した跡があり、船の全長は6メートル程度と推定される。

 中津野遺跡は東シナ海につながる川に面し、弥生時代の交易を示す高橋貝塚も近い。板の出土場所は湿地だったため、腐らずに残った。船での役目を終え、井戸枠など別の用途にリサイクルされていたと考えられる。

 弥生前期の準構造船の部材は静岡や広島でも出土。古代以前の船に詳しい柴田昌児・愛媛大学埋蔵文化財調査室長は「他の2例は紀元前3世紀頃と推定しており、中津野遺跡の船が最古級となる」として「東シナ海を介し、造船技術も大陸の影響を受けていたのでは」と話した。

 遺跡は国道270号宮崎バイパス改築工事のため、県が06~17年度に発掘した。出土品の整理と調査は継続中。
南さつま市金峰の中津野遺跡で出土した舷側板(2009年2月撮影、県埋蔵文化財センター提供)