2019/11/17 本紙掲載 

「新聞」感想文コンクール

第19回「新聞」感想文コンクール(南日本新聞社、南日本新聞南日会主催)に、鹿児島県内の188小中高校から1923点の作品が寄せられた。新聞記事を読み、自分の意見をまとめ、分かりやすく伝えようとする子どもたちの工夫が目立った。新聞へのこだわりや熱意が感じられる作品に贈る南日会特別賞や、小・中・高6部門の1席の作品を紹介する。

審査総評

気付きと視野の広がりを

県小学校教育研究会国語部会長 上田橋 誠氏

19回目を迎えた「新聞感想文コンクール」には、県内の小中高188校から1923点もの作品の応募がありました。入賞作品だけでなく、どの感想文も優れたものばかりでした。児童生徒がそれぞれの体験をもとに、素晴らしい感性で新聞を読んでいることが伝わり、感心しながら審査を行いました。
 レジ袋有料化の記事から環境問題を考えた作品、戦争や原爆の体験者の記事から平和を願う作品、バリアフリーに関する記事からやさしい社会づくりの実現に向けた考えを提案している作品など、多種多様な記事を取り上げ、自分なりの意見を述べていました。
 作品を読みながら、暮らしの中に新聞があり、家族の会話があって、記事を通じて社会への興味や関心が育まれていく様子が伝わってきました。入賞した作品では、一つの新聞記事からインターネットや図書館での調べ学習に発展させたり、実際に現地を訪問して理解を深めたり、他社の新聞と読み比べて新たな視点を発見したりして、記事から得た情報からさらに発展した「自分なりの考え・感想」が表現されていました。その着眼点のよさや純粋なまなざしを頼もしく感じました。
 児童生徒を取り巻く現代社会においては、インターネットの急速な普及に伴い、文字情報をもとにした知識の習得が重要になってきています。主体的に知識を習得するには、新聞に触れさせることが効果的です。新聞から、さまざまな社会事象としての知識を得ますが、それに伴って豊富な語彙(ごい)を自然と身に付けるのです。習得した知識や語彙が多いほど、創造する力や表現する力などを大きく伸ばすことができます。
 今後、入試制度も記述式が重視され、小論文を書く機会も増えてきますが、与えられた論文の課題に沿って自分の考えを書き出すには、新聞から得た豊富な知識や語彙が効力を発揮することになるでしょう。新聞に触れ、さまざまなことに関心を持ち、考える力をつけてほしいと考えます。
 新聞感想文コンクールをきっかけに、児童生徒がさらに社会に関心を持ち、情報を選択し、自分との関わりに気付き、自分の視野を広げていくことは、次代を担う「生きる力」を育てると共に未来の社会をつくることにつながるでしょう。
 今後、児童生徒が自分自身と社会との関連を感じながら成長していくことを心から期待しています。