[立候補予定者はこんな人]有川博幸氏
産学連携の仕掛け人
(2020-06-22)
■元鹿児島大学副学長・前田広人さん(65)鹿児島市
有川さんとは、鹿児島大学水産学部の教員と事務職員の関係、私が鹿大の産学・地域共創センター長をしていた2019年度は研究仲間として、一緒に仕事をしました。
彼が水産学部の船舶係をしていた20年前、私は練習船「敬天丸」に乗ってハワイ沖でサンプリング調査をしていました。天候の不安定な海上はトラブルがつきもの。寄港地変更の手続きは意外に大変で、そのまま引き返すケースもありました。有川さんに連絡を入れると、外務省や当時の文部省、現地エージェントと交渉して即応してくれる。頼れる存在でした。
産学連携や地域課題解決のため地域と大学研究者をつなぐ産学・地域共創センターの特任助教としての働きは抜群でした。地域活性化ができる研究者はそういません。特に県内離島との共同研究や包括連携協定を始めるのに、彼の存在は大きかったです。
例えば鹿大が徳之島3町と結んだ包括連携協定。スマート農業のような従来取り組んできた1次産業に加え、教育・文化・人材育成・観光振興分野にも連携を広げる協定ですが、有川さんを連れて行くと話が早く進む。交渉相手となる町長や町幹部、地元有力者は皆、顔見知りです。事務職員時代から「磯焼けが発生した」「海に原油が流れた」といった困り事があれば彼に相談が来て、すぐ大学の研究者との橋渡しをしていたからです。
一般的に大学の研究者は、守秘義務もあり専門分野をべらべらしゃべりません。研究者同士でも互いに何が得意分野なのか分からない場合が多いのです。ただ、彼はよく知っている。絆を大事にし、人の話をよく聞く。特別な事務職員でした。
自己顕示欲が強く、「目立ちすぎ」と陰口をたたかれることもありました。昨夏、知事選に出たいと打ち明けられ、私は2回止めました。「他の候補と比べて学歴も職歴も劣る。情熱だけでなれるものじゃない」と。ただ、鹿児島大学は「進取の気風」、つまりチャレンジ精神を基本理念の中核に掲げています。3度目に相談された時、「気張いやれ」と応えました。
まえだ・ひろと 3月まで鹿児島大学産学・地域共創センター長。日本防菌防黴学会長。志布志市出身。
有川さんとは、鹿児島大学水産学部の教員と事務職員の関係、私が鹿大の産学・地域共創センター長をしていた2019年度は研究仲間として、一緒に仕事をしました。
彼が水産学部の船舶係をしていた20年前、私は練習船「敬天丸」に乗ってハワイ沖でサンプリング調査をしていました。天候の不安定な海上はトラブルがつきもの。寄港地変更の手続きは意外に大変で、そのまま引き返すケースもありました。有川さんに連絡を入れると、外務省や当時の文部省、現地エージェントと交渉して即応してくれる。頼れる存在でした。
産学連携や地域課題解決のため地域と大学研究者をつなぐ産学・地域共創センターの特任助教としての働きは抜群でした。地域活性化ができる研究者はそういません。特に県内離島との共同研究や包括連携協定を始めるのに、彼の存在は大きかったです。
例えば鹿大が徳之島3町と結んだ包括連携協定。スマート農業のような従来取り組んできた1次産業に加え、教育・文化・人材育成・観光振興分野にも連携を広げる協定ですが、有川さんを連れて行くと話が早く進む。交渉相手となる町長や町幹部、地元有力者は皆、顔見知りです。事務職員時代から「磯焼けが発生した」「海に原油が流れた」といった困り事があれば彼に相談が来て、すぐ大学の研究者との橋渡しをしていたからです。
一般的に大学の研究者は、守秘義務もあり専門分野をべらべらしゃべりません。研究者同士でも互いに何が得意分野なのか分からない場合が多いのです。ただ、彼はよく知っている。絆を大事にし、人の話をよく聞く。特別な事務職員でした。
自己顕示欲が強く、「目立ちすぎ」と陰口をたたかれることもありました。昨夏、知事選に出たいと打ち明けられ、私は2回止めました。「他の候補と比べて学歴も職歴も劣る。情熱だけでなれるものじゃない」と。ただ、鹿児島大学は「進取の気風」、つまりチャレンジ精神を基本理念の中核に掲げています。3度目に相談された時、「気張いやれ」と応えました。
まえだ・ひろと 3月まで鹿児島大学産学・地域共創センター長。日本防菌防黴学会長。志布志市出身。
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