[候補者インタビュー]伊藤 祐一郎氏(72)
実績基に将来像描く
(2020-06-29)

2004~16年の3期12年は財政再建との闘いだった。就任当初に450億円あった財源不足は、職員数縮減や給与改定などを進め、7年間で不足ゼロ、基金を250億円まで積み上げた。自ら身を切り改革を先導した。
立候補を正式表明したのは2月。現県政への危機感と、鹿児島の未来に不安を覚えたからだ。その後、新型コロナウイルス感染拡大もあり、県民の仕事や暮らしに大きな影響を与えている。「未曽有の危機を乗り越えるため、県政を誰に託せばいいのか。県民はしっかり見極めてほしい」
マニフェスト(政策綱領)で真っ先に新型コロナ対策を掲げた。「私にしては珍しく」と前置きし、国の交付金頼みではない積極的な財政出動を訴える。「今後4年はコロナからの再生が課題になる。まずは県民を安心させることが必要だ」とし、県政運営の実績を基に「ビジョンと実行力」を掲げる。
以前よりかなり回数は減ったものの、時折早口になり、カタカナ語も出てしまう。意図があり、「厳しい質問を受け、考えをソフィスティケイト(洗練)させる時間がほしいときに使う」と明かす。
5人の孫の話になると、すぐ相好を崩す。「相手をするのは選挙より大変」と言いながら、「超かわいい」と声が裏返る。「20メートル先の私は『上から目線』に見られるが、2メートルまで近づけば普通の『おっさん』だから」
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