６月２５日告示された鹿児島県知事選の出陣式は、新型コロナウイルス感染防止のため、大半がマスク姿で出席した。支持者らに検温や消毒を求めたり、出陣式の案内を控えたりする陣営もあり、より多くの聴衆を集めて勢いを付ける従来の出陣式とは一変した。
　新人候補の出陣式では、スタッフが会場入り口に待機し、手指の消毒を促した。別の候補の会場では非接触型の体温計も用意され、支持者らは体調に異常がないことを確認してから訴えを聞いた。両陣営ともマスク未着用の人には使い捨てマスクを配って協力を求めた。
　多くの候補者は、マスクを外して熱弁を振るったが、終始外さなかった候補者も。演説者が交代する度にスタッフがマイクを消毒する会場もあった。
　出陣式後に候補者が直接一票を呼び掛ける場面にも変化が見られた。がっちり握手を交わすのが通例だったが、支援者に促されて「腕タッチ」にした新人候補は「よろしくお願いします」と腕に力を込めた。
　感染を防ごうと、「出陣式への案内文書を出せなかった」「来てほしいと積極的に声を掛けられなかった」と動員をためらった陣営も複数あった。