47都道府県知事 東大卒 官僚OB多数/鹿児島など民間出身 少数派
(2020-07-02)

47都道府県の知事の平均年齢は1日時点で61.46歳。沖縄県の玉城デニー知事(60)=上智社会福祉専門学校卒、千葉県の森田健作知事(70)=明治学院大中退=の2人を除く45人の最終学歴は大学卒・大学院修了だ。中でも東京大が1位で23人と半数を占める。早稲田大、京都大、米スタンフォード大大学院、米ハーバード大大学院がそれぞれ2人で続く。
現職の三反園訓県知事(62)は県政初の民間出身知事として2016年、初当選した。それまでは県職員生え抜きの須賀龍郎氏(任期1996~2004年)を除き、全て中央官僚からの転身だった。官僚出身知事は他県でも目立ち、現在28人と半数以上いる。国会・地方議員や行政の長を務めた人も多く、民間出身者は少ない。
県立短大の山本敬生准教授=行政学=は「地方では地元に残るよりも東京で活躍した人を評価する傾向があり、キャリア官僚は知事選に担がれやすい」と分析する。対照的なのは長崎県の中村法道知事(69)。南島原市出身で島原高校、長崎大を卒業後県庁に入り、総務部長や副知事を経て知事となった。
首長、議員経験がない民間出身は三反園氏を含めわずか4人。ほかは山形県の吉村美栄子知事(69)=行政書士、神奈川県の黒岩祐治知事(65)=元フジテレビ社員、岡山県の伊原木隆太知事(53)=元天満屋社長。
最年少、39歳の鈴木直道北海道知事の経歴は興味深い。高校を卒業して東京都庁に入り、仕事をしながら法政大を卒業。派遣経験のある夕張市で市長に転じ、財政再建が評価され19年知事に当選した。熊本県の蒲島郁夫知事(73)も高校卒業後、地元農協(当時)に就職。農業研修生として渡った米国でネブラスカ大に学び、ハーバード大大学院を修了した。帰国後、筑波大、東京大で教授を務めた。
今回の知事選では初めて複数(2人)の女性が立候補した。女性知事は現在、山形県の吉村知事と東京都の小池百合子知事(67)の2人だけ。山本准教授は「ビジネスと同じように、行政にも女性の視点が必要だ。政党、市民団体は積極的に擁立すべきだ」と話した。
[一覧]