2候補 独自の戦い
有川氏 若者と「手作り選挙」/武田氏 エネ政策の持論訴え
(2020-07-10)

地熱開発の必要性を訴える武田信弘候補=7月8日、指宿市

画面越しの支持者との交流でガッツポーズする有川博幸氏=7月8日、鹿児島市松原町の選挙事務所
「県庁が働きにくい雰囲気になっている」。こんな職員の声を聞き、元鹿児島大学特任助教の有川氏は県政刷新が必要だと決断した。政党などに推薦願を出したが「現職」の厚い壁に阻まれ、草の根の戦いに。選挙事務所も自身で設営した。
7月8日夜、街宣後の白いポロシャツ姿で写真共有アプリ「インスタグラム」のライブ配信に臨んだ。配信は5月、20代の友人の提案で始めた。自らの主張を解説するだけでなく、コロナ下での貴重な交流の場になっている。「仕事や家事、子育てで日中は忙しい若い世代に見てもらっている」と手応えを語る。
期間中は広い地域を回ろうと心掛け、沖永良部島には7候補で唯一足を運んだ。「知事選の選挙カーを初めて見たと話す人もいた」
桜島架橋、県民からメンバーを募る知事対策室など「知事になったら」の夢は尽きない。「コロナ対策も、病院関係や研究者の人脈がある私にしかできない」と強調する。
元高校教諭の武田氏は地元・指宿市を中心に鹿児島市、霧島市、鹿屋市、南薩を回った。支援者はいない。一人で街宣車を走らせ、6000千近くある掲示場に約400枚のポスターを張り、多い日は20回を超す街頭演説をこなした。
指宿市の「貴重な資源」である地熱開発が進まないのは、何らかの不正があるのではとにらむ。地熱開発の必要性を訴えつつ、公然と不正を告発する異例の選挙戦を展開する。
4回の埼玉県知事選を含め過去5回の知事選はいずれも有効投票総数の10分の1の得票に届かず、供託金を没収された。亡き母の遺産を質入れして納めた今回も、没収は覚悟の上。「没収を免れるために支持を求めるような戦い方はしない」と言い切る。「せっかく生まれてきたのだから。意地みたいなものです」
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