2020鹿児島県知事選 決戦直前

 鹿児島県知事選は6月25日告示される。7人が立候補に向けて準備を進めており、戦後最多の争いとなりそうだ。前哨戦の動きを追った。

(下)候補一本化

協議難航 埋まらぬ溝
(2020-06-24)
一本化に向けた協議があったホテルの一室。結論は出なかった=6月21日、鹿児島市
一本化に向けた協議があったホテルの一室。結論は出なかった=6月21日、鹿児島市
 6月21日朝、鹿児島市内のホテルに前九州経済産業局長の塩田康一氏(54)と、前鹿児島県知事の伊藤祐一郎氏(72)の姿があった。25日の告示まで4日と迫り、反現職の立場で一本化協議を進めたいと、両氏と同じラ・サール中高の同窓生である立憲民主党の川内博史氏(衆院鹿児島1区)が立ち会った。
 2時間後、先に部屋から出てきたのは伊藤氏だった。「結論は出ていない。24日まで協議する」と足早に去った。その15分後、塩田氏は「協議を続けることは確認した。ぎりぎりまで模索したい」と語った。
 川内氏は「24日までには実現できる」とした一方、「決断するかしないかは2人の心次第。政策のすり合わせといった具体的なところまで決まっていない」と内情を打ち明けた。
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 自民、公明両党が現職の三反園訓氏(62)の推薦を決め、電話作戦や県議・地方議員による組織戦を展開する中、2人の一本化は「勝利への必須条件」と捉える向きが多かった。
 「このまま一本化がかなわなければNHK大河ドラマが始まると同時に現職当選が決まってしまう」。2人が推薦願を提出している連合鹿児島の下町和三会長は危機感をあらわにし、一本化を文書で緊急要請した。結論を待つのは「21日まで」と期限を切ったものの、まとまらなかった。
 ここに来て三反園氏は、複数の首長に電話で票の取りまとめを依頼した疑いが明らかになり、逆風が吹く。両陣営からは「勝ち目が出てきた」「あえて一本化しなくていい」との楽観論も聞かれるようになった。
 しかし川内氏は、7人が立候補を予定する乱立の構図を踏まえ、「自公の組織力は並大抵ではない。2人がともに戦ってこそ現職を倒せる」と実現の重要性を力説する。
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 一本化はどちらかが立候補を断念しなければ実現しない。両陣営は既に県内に複数の後援会事務所を構え、着々と準備を進めている。両氏はそれぞれ支持者を前に「最後まで下りない」と何度も公言しているだけに、既に協議は決裂したように見える。
 23日、塩田氏は伊藤氏から10日以上遅れてマニフェスト(政策綱領)を発表した。会見で一本化について問われ「前でもない、今でもない選択肢が必要だ。今を倒すために一本化して前に戻すことを、県民は望んでいないのではないか」と答えた。一方で「協議は決裂していない」と含みを持たせる。伊藤氏も「時間切れで告示を迎える可能性はあるが、私は協議が24日も続くと考えている」と述べた。
 2人に一本化を呼び掛けたある県議は話す。「有権者へのイメージを考えると、どちらも自分から協議を下りたとは言いたくないのだろう。ただ、ここまで来たら、2人とも絶対に引けないはずだ」
[一覧]
2020/06/24 (下)候補一本化
2020/06/23 (上)温度差