2020鹿児島県知事選 点検三反園県政

 鹿児島県の三反園訓知事の任期満了まで1カ月余りとなった。前回知事選で掲げたマニフェスト(政策綱領)はどこまで達成できたのか。各分野の識者とともに点検する。

(6)教育

学力・体力 平均届かず
(2020-06-21)
 マニフェストに掲げた全国学力テストと全国体力テストが全国平均以上になるという目標は、三反園訓知事就任以来、2017、18、19年度とも果たせなかった。20年度は新型コロナウイルスの感染者増加のため、文科省が4月に中止を決めた。
 鹿児島県教育委員会は、成績が伸びた学校の事例を分析して他校に紹介するなど学力の底上げを図ってきたものの、「教委・教員の努力不足」と分析する。
 一方、小学5年と中学1、2年が対象の学習定着度調査では、14教科のうち正答率7割を越えたのが17年度はゼロ、18年度3、19年度7と伸びており、「20年度の全国学力テストに期待していた」と残念がる。
 こうした動きに対し、県PTA連合会の太田敬介会長(48)は「学力・体力向上を学校だけでやろうとしていないか。家庭や地域の力を活用する仕組みを構築すべきだ」と問題提起する。「長期の休み明けに学力や体力が落ちるケースが多いが、PTAは子どもの成長に力を貸したい人ばかり。学習習慣の定着を呼び掛けたり、スポーツ少年団などへの加入を勧めたりするだけでもいい」と話す。
 県教職員組合の原園正敏委員長(57)は学力テストの目標をマニフェストに盛り込んだこと自体を「学校教育をゆがませる大きな間違い」と批判する。「テストは学習の定着度確認が目的だ。それなのに高得点のため過去問題対策に注力し、教科書をないがしろにしている例をよく聞く」。
 高校の授業料助成や大学生などへの給付型奨学金は、19年の大学等修学支援法成立で国負担が増え、県の手出しは減った。原園委員長は「なぜその分で対象者を増やさないのか」と首をかしげる。教育分野を総括し「評価できる点はない。教育界の男女共同参画推進や、いじめの発見率向上に取り組むべきだ」と指摘した。
 保健体育課によると、「生活困窮家庭に小中学校の給食無料化」の“約束”は19年9月時点で20市町村と半数以下にとどまる。県の対策は市町村への要請のみで、県独自の補助制度はない。
(知事選取材班)
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