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戦後の歴代市長ってどんな人?

かじ取り役7人の歩み
(2020-11-11)
 鹿児島市長選は11月22日告示される。4期目の森博幸市長(71)が勇退を表明したため、今回は16年ぶりに新人4人の争いになる見込みだ。県内人口の3分の1以上が集中する県都のかじ取り役は、どんな人だったのだろう。戦後、公選制が導入されてから就任した歴代7人の履歴書をチェックした。


勝目 清氏(1946~59年)
 戦災復興に尽力、空港開設
 1894年生、鹿児島市出身。東京帝国大学(現東大)卒業後、東京市電気局(現都交通局)入り。30歳で鹿児島市助役に就く。戦後、当時の市長が占領軍に追放されたのを受け、1946年に第14代市長に就任。翌年、公選制後初の市長選で無投票当選した。戦災復興に尽力し、成し遂げた区画整理の広さは全国トップクラス。57年には旧鹿児島空港開設を実現し、下水道設置などの街づくりも進めた。郷土史への関心が高く、大正・昭和期の回顧録を残している。71年死去。

平瀬 實武氏(1959~63年)
 初の革新系 ナポリと盟約
 1901年生、鹿児島市出身。東京帝国大学を卒業し、同市議、鹿児島県議、串木野町長・市長を歴任した。59年の鹿児島市長選で社会党などに推されて初当選し、1期務めた。紫原地区の宅地造成や南港埋め立てを進めたほか、漁業振興で取り組んだタコの養殖は有名。県都初の革新系市長として市民生活に直結する施策を次々打ち出し、公園・街路の緑化など観光行政にも力を入れた。60年には、現在も交流が続くイタリア・ナポリ市と姉妹都市盟約を結んだ。94年死去。

三ツ井卯三男氏(1963~67年)
 谷山市との合併まとめる
 1903年生、長野県出身。九州帝国大学(現九大)を卒業後、教員を経て福岡県庁入り。47年に鹿児島県庁に移り、総務部長や副知事を歴任。廃刊した鹿児島新報の社長も務めた。鹿児島市長選は2度目の挑戦で63年に初当選。1期4年の在任中に堆肥処理施設やごみ焼却炉整備など近代都市づくりを進め、旧谷山市との合併もまとめた。全国初の水搬送工法で与次郎地区の埋め立てに着手した。77年死去。

末吉 利雄氏(1967~75年)
 平川動物公園の生みの親
 1909年生、鹿児島市出身。県立鹿児島工業学校を卒業後、日本専売公社へ。県議を4期、社会党県本部委員長を7期務めた。67年の市長選で、史上2人目の革新系市長として初当選した。旧谷山市と合併した新生鹿児島市の初代市長。敬老・友愛パスを導入するなど、2期8年で福祉政策を積極的に進め、平川動物公園建設にも取り組んだ。オーストラリア・パース市との姉妹都市盟約にも尽力した。退任後は、社会党県本部顧問として後進の指導に当たった。95年死去。

山之口 安秀氏(1975~84年)
 財政健全化へ職員を削減
 1917年生、旧東市来町出身。九州帝国大学を卒業し、鹿児島県庁に入った。企画部長や出納長などを務めた後、75年の市長選で初当選した。財政健全化に向けて職員定数削減などに取り組む一方、美術館、市民文化ホール、科学館、図書館といった文化・教育施設の建設計画や市内の緑化を進めた。九州市長会、全国市長会の副会長も歴任。訪問先のオーストラリアで転倒したけがの後遺症に悩まされ、3期目途中の84年に辞任した。在任は9年7カ月だった。2001年死去。

赤崎 義則氏(1984~2004年)
 「8・6水害」経て防災に力
 1927年生、旧東市来町出身。鹿児島農林専門学校を卒業し、鹿児島市役所に入った。総務局長や助役を務め、84年に初の職員生え抜き市長になった。在任は歴代最長5期20年。3期目の93年に多数の犠牲者を出した「8・6水害」が発生し、復興に尽くす。市民の賛否が分かれた甲突川の五石橋移設を、防災対策を理由に進めた。中核市入りを実現。周辺5町と「平成の大合併」をまとめる。全国市長会会長、国の地方分権改革推進会議委員の要職も務めた。2019年死去。

森 博幸氏(2004年~)
 軌道緑化、マラソン大会も
 1949年生、鹿児島市出身。横浜市立大学卒業後、鹿児島市役所に入った。財政部長や総務局長を経て、2004年に初当選した。市電軌道敷の緑化や鹿児島マラソンを実現させ、交流人口の拡大を図った。子育て支援施設の充実や、市街地再開発にも取り組む。防災面では桜島の大規模噴火に備え、全島避難計画をまとめた。国際交流も熱心で、19年にはフランス・ストラスブール市とパートナーシップ協定を締結した。5期目続投の予想を反し、今年9月に勇退を発表した。
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