2020鹿児島市長選 数字で点検-森市政16年

 12月に任期満了となる鹿児島市の森博幸市長(70)が引退する。2004年から始まった森市政の4期16年で、県都の姿はどのように変わったのか。トピックごとに数字から読み解く。

(8)20年度火山対策予算 5132万円

「レベル4」機に右肩上がり
(2020-10-29)
 2015年8月15日、鹿児島市照国町の探勝園では、森博幸市長らが出席し、戦亡者慰霊祭が開かれていた。そこに携帯電話の音が一斉に鳴り響く。「桜島の大きな噴火が切迫している」。桜島の噴火警戒レベルが初めて4(避難準備)に引き上げられたことを知らせるメールだった。
 森市長が就任した04年度の火山活動対策費予算は694万円。それから10年ほどは横ばいで推移するが、潮目が変わったのが15年の「レベル4引き上げ」だ。市は地域防災計画の見直しに着手。予算も16年度は2506万円と一気に増加。20年度は過去最多の5132万円で、就任時の約7.4倍になっている。
 黒神町の川元信雄さん(69)は、レベル4引き上げ当時、温泉センターに1週間ほど避難した。「保健師さんの配置や食事の差し入れなど市の対応は良かった」と評価する。
 一方、危機管理部長として対応した中薗正人さん(62)は「3カ月前に全島避難した口永良部島が頭をよぎった。桜島は51世帯77人の避難で済んだが避難状況の把握が難しく、町内会など地域との連携が不可欠だと感じた」。
 桜島の大噴火と台風が重なったら、観光客の避難誘導は-。防災計画を見直す過程で、課題は次々に浮上した。市は組織改革にも着手。18年度の危機管理局設置につながる。
 現在は、市街地側に大量の火山灰が降った場合のシミュレーションを作成中。危機管理課は気を引き締める。「防災に終わりはない。大規模噴火でも犠牲者をゼロにするためにもっと工夫を重ねなければ」